起業や開業をする際、「どんなお店にしようか」、「どんなものを売ろうか」といったこれからのビジネスへのイメージや、経営資金のことについては考えがいきがちですが、「法律について」はけっこう飛ばされてしまうことが多いように思います。
ですが、事業をしていく上で法律というのは様々な場面で登場してきます。
中には罰則付きのものもありますし、知らないまま進んでしまうのは危険なんです。
そこで今回は私が今まで関わってきた法律の中から、重要だなと思うものをいくつかご紹介したいと思います!

人を雇うときは必須「労働基準法」

労働基準法はその名の通り、「働くことの基準」を定めた法律です。
例えばこんなことが定められています。

・残業代の最低割増率
 →時間外労働には125%以上、さらに深夜労働には+25%以上の上乗せ、
  その他休日労働には135%以上の支払いをしなければなりません。

・残業させることの禁止
 →労働時間は1日8時間、週40時間とされています。
  もしこれ以上に働かせたい、残業させたい、という場合には「36協定」というものを締結し、
  届け出なければなりません。
  また、協定を結んだからと言っても好きなだけ残業させることはできません。
 (上限が決められています。)

・賃金
 →最低賃金法で決められた額を下回ってはいけません。

などなど・・・
これらを守っていないと罰則の対象となるほか、社員とのトラブルとなり大問題へと発展してしまうということにもなりかねません。

食品を販売する時には「食品表示法」

いわゆる「包装してある食品」に記載すべき内容を定めた法律です。
実はあまり知られていませんが、2020年4月~内容が大幅に改正されており、罰則も強化されています。
ですので、これから製造する商品は、今までの内容と同じように記載し販売してしまうと、罰則の対象ともなり得てしまうんです。
ちなみに、新しく定められた内容には以下のようなものがありますのでご注意ください。

・添加物は明確に区分して表示(改行する、欄を分ける、「/」で区切るなど)

・アレルギーの表示方法の変更(使っていい記号や言い方が決められています)

・栄養成分表示(カロリーなど)の記載義務化

その他にも細かい変更が多数あります。

広告やPOP、パッケージには注意!「景品表示法」

誤解を与えるような表示をしている商品・サービスから消費者を守るために定められた法律です。
使用していないのに「〇〇使用」と表示したり、根拠がないのに「〇〇の効果が!」とうたったり、というところはわかりやすい違反例かと思います。

その中でも特に知られていないのが「景品額の制限」


「〇〇円以上お買い上げの方にはこれらの商品が当たります!」
「来店してくださった方にはもれなく〇〇を配ります!」

・・・というイベントをされることもあるかと思いますが、この時に配るプレゼント類には上限額が決められています。
こちらも、罰則の対象です。

法律なんて、全部覚えられない・・・

事業をしていく上でかかわってくる法律は、こんなもんじゃありません。
税法、会社法、特定商取引法・・・
頭が痛くなりますよね。

でも、だからこそ私たち法律のスペシャリストがいるのだと思います!
わからなかったらわかる人に聞けばいいのです!

人を雇うことに不安なら私たち社会保険労務士に、
税金のことがわからなければ税理士さんに、
商品名やブランド名などの商標に関しては弁理士さんに、
それぞれ相談しながら起業や開業を進めていけば安心して経営もしていけるのではないでしょうか。
ただ、詳しい内容はあまりわからなくても、どんな法律があるかくらいは是非知っておいていただけると幸いです!