商品を企画する際には、「ターゲット」を明確にすることが必須です。
年代、性別等によって好む傾向というのは様々で、「万人受けする商品」を作ることは難しい。
ですので、ピンポイントで狙った方が、よりニーズに沿った商品を開発することができるのです。

その際、さらに「ターゲット」についてもっと詳細に設定してやると、求められているニーズや今ある課題というものを掴みやすくなってきます。
ここで出てくるのが「ペソルナ」という言葉なんです。

「ペソルナ」って何?

ペソルナとはわかりやすく言うと、ターゲットとなるお客様のイメージをもっと具体化した人物像のことをいいます。

例えばターゲットは「20~30代の女性」のように設定しますが、ペルソナはそれをもっともっと具体的に設定します。

(ペルソナの例)
 ・名前:大久保 裕子
 ・年齢:35歳
 ・職業:県立病院の内科の看護師(15年間勤務) 
 ・趣味:買い物、旅行、カフェ巡り
 ・生活スタイル:1人暮らし、夜勤勤務もあるため、外食が多い。
         外食の際はメニューなどをインスタグラムに投稿している。
         インスタグラムにはカフェを紹介する専用アカウントを開設している。
         県外の友人も多く、友人が来県する際はおすすめの店を聞かれることが多い。
         お出かけの際は目的地をSNSで検索して決定している。
         気に入れば県外にも出かける。
         ・・・・・
         ・・・・・

なお、ペルソナは1度設定したら終わりというわけではありません。
その後の検証作業より情報が得られるたびにペルソナにおいても修正を行い、よりリアルなものにしていく必要があります。

詳細な人物像って決めなきゃいけないの?

商品を開発する際には、今の商品にはどんな課題があるかを見極めることが重要となってきます。
なぜなら、もしお客様が今ある商品に満足していれば、その商品以外は特に必要がないからです。
商品が売れるのは、その商品に他のものにはない「利点」があるからです。
自分の開発する商品に「利点」を持たせるためにも、今お客様が感じている他の商品の課題を把握し、その解決策を商品に落とし込んでいくことが必要です。

話を戻しますが、ではなぜ詳細な人物像(ペルソナ)の設定が必要なのか?
今ある課題が何なのかを探るためには「誰がいつどこでどんなことに不満を持っているのか」というように具体的な場面をイメージしていくことが重要となってきますが、この際に具体的な人物像について考えてやることで、その課題もより鮮明になってきます。

例えば新しいカフェメニューを考える際、ただ「20~30歳代女性向け」とした場合は

「インスタ映えのする外観にしよう!」

というような設定で止まってしまうかもしれません。

しかし上記のように詳細な人物像を設定していると

「外食が多いなら栄養バランスも崩れがちだし、困っているかもしれないな。
 あまりお肉ばかりとか、そういう方向は避けた方がいいのかも。
 おすすめのお店を聞かれるとついつい悩むのよね。
 「このお店に来ればとりあえずご当地名物を食べられる」みたいなメニューがあると喜ばれるかも。
 例えば、地元の名物をカフェ風アレンジしたらカフェもご当地ご飯も両方を楽しんでもらえるな。
 名物を少しずつ盛ってワンプレートにしてみようかな。
 あと、インスタの投稿や次の目的地を探すのに、無料Wifiがあったら喜ばれそうね・・・」

というように、課題や解決策もより具体的に考えることが可能となります。

ペルソナのメリット

①自分本位の考えに陥るのを防ぐ

商品企画は、どうしても開発者の想いや思い込みに影響されやすいものです。
「20~30代の女性はこうだ!」と思っているところがあると、実際はそうでなくてもその事実は無視されてしまうこともしばしば。
ですが、詳細な人物像をつくることで、その人物中心のものの考え方ができるようになり(自分の思いをひとまず置いておくことができ)、課題の設定の精度も上げることができます。

②万人受けしたいという気持ちが捨てられる

はじめにもお話ししましたが、万人受けする商品を作ることは非常に難しいです。
また、万人受けする商品よりも、ある特定の人に圧倒的に受け入れられる商品を開発する方が有効であったりします。
ペルソナは万人受けしたいという気持ちを抑えこんでくれ、行くべき方向へと導いてくれます。

③イメージの共有

もし1人ではなくチームで商品の企画や開発を行う場合、人が増えれば増えるほどそのイメージするお客様の像はばらばらになりがちです。
しかしペルソナの存在はその具体的なお客様の像を可視化し、イメージも統一したものへと変えてくれます。
その結果、イメージのブレによる弊害やそれによるコストの上昇といった点も抑えてくれます。

ペルソナは設定して終わりではない!


ペルソナはあくまでも「課題を抽出するため」の手段です。
設定して終わりではなく、そこから考えられる課題を見つけ出し、解決策を商品に落とし込むことがまずはじめのゴールとなります。
ぜひみなさまも、今お客様が抱えている課題を把握するためにもペルソナの設定をしてみてください!