トップの紹介ページでもお話をしておりますが、社会保険労務士になる前は食品業界で商品開発の仕事に約13年間携わってきました。
大企業、中小企業を渡りゆく中で、中小企業だからできること、大企業だからできることがそれぞれ存在し、それぞれがそのメリットを活かせばもっともっと良い商品につながるにな、とよく感じておりました。

相手ができない、自分たちだからできること、それをちゃんと実行することがより成功に近づく手段だと思っています。
今回は、その中でも商品開発業務において、中小企業だからこそできる「強み」を4つご紹介したいと思います。

中小企業の強みとは?

お客様までの距離が近い

大企業は開発者とお客様の間に長い距離があります。
その企業にもよるかとは思いますが、一般的に、開発部の人間は自分で開発した商品を売ることはありません。
また大企業の営業先は、実際の消費者ではなく小売店、あるいはバイヤーや卸売業者であったりします。
そうなってくると、実際にお客様が購入してくださった商品の感想がダイレクトに届くことはなかなかありません。
お客様の感想はお客様→販売員→店長→バイヤー→自社の営業部員→営業部長や課長→開発部長や課長→商品開発担当者・・・などと多くの方を経由して届くことになるのです。
商品開発をしていく上で、「実際に購入されたお客様の声」は貴重な情報です。
その声をいかにつかむかがより良い商品を開発するためには必要です。
しかし、そういった声は多くの方を経由することで内容が変わってしまったり、あるいは届かなくなってしまうということもあり得るのです。
(組織が大きければ大きいほど、情報は止まりがちになります。)

しかし中小企業であると、お客様までの距離はうんと近づきます。
そうなると、自社の商品の問題点や今あるお客様のニーズなどもつかみやすくなります。

テスト販売が容易

商品を開発する上で、そのアイディアやコンセプトが本当に求められているものなのかを見極めることは大変重要です。
それを知るためには何度も何度も検証を繰り返して行うことが必須となってきます。
この際、机上で時間をかけて考えるということはあまり意味がありません。
試作品を実際の市場で検証し、改善を続けていくことが成功へとつながっていきます。

大企業でテスト販売をしようとすると、その規模も大きくなります。
というのは、大企業はフルラインである場合が多く、一度ラインを動かすとその生産量も大きくなりがちなのです。
また、テスト品を用意するにも多くの部署の承認を得る必要があり、そしてコストもかかります。

しかし中小企業はテスト商品を小ロットで準備することができることも多く、小規模のテストを行うことができます。
ですので、テスト回数もより頻回にすることが可能となります。
また、メーカーなどではテスト販売の場合も協力店舗を探したり依頼する必要がありますが、路面店を持つ小規模の企業などはその心配もありません。
テストができる場があることはそれだけで優位です。

奇抜なアイディアも通りやすい

大企業は商品企画を決定するまでの間に多くの方の承認が必要となります。
また承認を得る人数が多くなればなるほど、内容も変更されがちとなり、結果奇抜なアイディアも普通のアイディアに様変わりして返ってくることもしばしば。
またいろんな方の意思が絡むため、思い切ったアイディアが通りにくいこともよくあります。
「他にない商品」というのは、イコール「現状は普通には見られない商品」です。
そうなってくると、なかなか承認を得るのも難しい場合もありますよね。

しかし中小企業では、アイディアの提出先が即社長ということもあり得ます。
そうなると、いろいろなアイディアが通りやすくなります。
決断をする人数が少ないほど、良い効果を生み出す可能性も高いと言えます。

小回りが利く

大企業では商品開発には数ヶ月~数年のスパンがかかります。
その間に流行がピークを迎えたり、さらには下降に差し掛かったりしてしまうこともあります。

しかし中小企業では早い判断が可能なため商品化までの時間が短くすむ傾向があります。
また終売の場合も決定から実際の終売までの期間を短くできるため、売れない商品への余計なコストも抑えることが可能です。
このスピード感は大企業がうらやむメリットの1つです。

強みを生かして立ち向かおう!

「大企業には勝てない」とか「大企業だからいいよね」みたいな言葉をよく聞きます。
もちろん、そういった場合も多いですが、中小企業には中小企業だから持つことのできる上記のようなメリットもたくさんあるのです。
自分たちの強みを把握し、それを最大限に生かすことが何より大切だと考えています。
ぜひ、他には真似できない自分たち強みを武器に戦っていっていただきたいです。