「作れば売れる」は過去の話

「昔は何でも作ったものは、よく売れたものだ」

こんな話をよく耳にします。
高度経済成長期、物が不足していた時代。
たくさん作ればそれだけ売れる、生産者にとってはいい時代だったのかもしれません。

しかし今はその逆。
例えば通販サイトを開けば同じような商品がゴロゴロとあふれかえっています。
売り上げを出すには、このような中でいかに他社ではなく自社の商品を選んでもらえるかどうかが非常に重要となってきます。
そう、何でも作ればよい時代ではないのです。

‘‘困った’’を解決できる商品は価値が高い!

例えばじゃがりこ。
ヒットの要因の1つにカップ容器の採用が挙げられます。
スナック菓子は袋包装が主流でしたが、その中で、車のドリンクホルダーにも入れることができスタンディング性もあるカップ容器の採用は「場所を選ばずお菓子を食べたい」という消費者の‘‘困った’’をうまく解決してくれました。
結果、今でも愛されるロングセラー商品です。

また自分の事例を1つ。
詳しくはここではお話はできませんが、ある食品を一口サイズ化をさせた商品を開発したところ、発売初月に1億2千万円を売り上げたことがありました。
その食品は決まった大きさがあり、各社その大きさの中で商品化を次々と行っていました。
しかし、それを食べる際、けっこう大きな口を開けて食べなければならず、しかもぼろぼろとこぼれてしまう。
女性にとっては致命的ですよね。
振り返ればその食品は当時はほぼ専門店でのみ販売されているようなものであったため、一口化は言ってしまえば「邪道」。
作り方もいわゆる「なんちゃって」な方法でするしかなく、おそらく専門店から見たら鼻で笑うような商品だったかもしれません。
それでも月に1億2千万円も売れたのは、やっぱり消費者の ‘‘困った’’ に寄り添った結果ではないかと思っています。
(もちろん、いろんな要素があって売り上げにつながったとも思っていますが。)

ニッチを狙え!

よく中小企業の事業主様よりこんなお話をされます。

「コンビニに負けるから安くするしかなくて・・・」

そう思ったことのある方、いらっしゃるのではないのでしょうか?

そもそも、コンビニと戦うという思考が間違っているとお伝えしたい。
確かに、いきなり自分の店の隣にコンビニができて、自分の売っている商品が安く売られていたら気が気ではないでしょう。
ですが、コンビニは資本力が違います。
安く原料を仕入れ、大量に生産することで人件費も抑えられ、原価も安くできる分、価格を安くして販売することが可能です。
そことまともに価格で戦って、勝算はあるのでしょうか?

大企業で開発をしていた際、中小企業に対して悔しい思いをしたことが何度もあります。
中小企業はスピード感が違う、流行にもすぐ対応でき、採算の合わない商品をすぐに辞める決断ができる。
大手は手作りができないためどうしても専門性で負けてしまう、まだまだ勝てないところはたくさんあります。
だからこそ、大手ができない、中小企業のメリットを最大限に活かして戦うべきなのです。
そしてその戦い方こそが唯一大手に勝つ方法ではないかと思っています。

コンビニ、大手が手を出せないニッチな市場、ニッチな商品。
ぜひ狙っていただきたいです。

販路拡大には法令順守は当たり前!

ここ最近のデジタル化によって、オンラインでの販売や地域を超えて商品が流通するケースが多くなりました。
デジタル化以外のところでも、例えば私の住む富山の企業を見ると、北陸新幹線の開業以来都市部での「北陸フェア」等のイベントに呼ばれ販売する機会等が増えているようです。

自社店舗以外での販売を行う際に絶対に気を付けなければならないのが「法令順守」。
もちろん自社で販売する際も法令は順守すべきなのですが、今でも多くの小さな企業様はその辺り、徹底されてないケースが多いように思います。
ですが販路拡大にあたり、今までは地域の方によって許されていたことでも、地域を超えて、また会社を超えることで、同じ問題の受け取られ方は変わってきます。
特に衛生面での欠陥は重大な問題に発展する危険性が高いです。
また、取り扱う先(取引先)によって、原材料の産地やアレルギー等に関する資料や賞味期限の根拠に関する資料などを提出させ確認されるケースも増えていますし、HACCP認証がないと取り扱いしないといったところも徐々に増えている事実も見受けられます。

めんどくさい、難しい、うちのレベルじゃ対応できない、それでは売り上げは取れない時代にきています。
今からでも遅くありません。
少しずつ、法律に対応した取り組みを始めてみてください。

弊所では、商品開発に関する相談、アドバイス、または食品に関する法律のご紹介、相談業務、法律改正の際の情報提供等などを行っております。
また食品表示の作成代行やアドバイス、取引先に提出する資料作成のアドバイス等も行っております。
お気軽にご相談ください。