みなさん、こんにちは。
社会保険労務士の、渋谷です。

本日は、社会保険の加入要件の変更について、お話ししていこうかと思います。

そもそも従業員を社会保険に加入させる必要はあるの?

これはみなさまの事業所の形態によって変わります。

①法人の方

法人の場合は、後述する要件に該当する従業員はすべて社会保険に加入させなければなりません。
また、従業員が「社長1人」という場合も、要件に該当する場合は、自身を社会保険に加入させなければなりません。

②個人事業主の場合

従業員が常時5人以上いる場合は、 要件に該当する従業員はすべて社会保険に加入させなければなりません。
ただし、農林漁業、サービス業、理美容業など一定の業種に限っては、従業員が常時5人以上いたとしても従業員を社会保険に加入をさせる必要はありません。(任意適用事業所といいます)
(もし加入させたい場合は、一定の手続きを経て、厚生労働大臣の許可を受ければ可能となります!)

社会保険に加入させなければならない従業員の要件は?

基本の要件

正社員の方はすべて加入することとなります。
また、正社員でない場合、あるいは時間短縮等といった特別な形態をとられている場合でも

①1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
②1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上

以上のどちらにも該当する場合は社会保険に加入する必要があります。
※時間や日数を比較する正社員は「同じ事業所で同様の業務に従事している正社員」です。

ただし、「厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人事業主(任意適用事業所を除く)」においては、上記の要件が緩和されており、より多くの方が加入対象となっております。

厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人事業主の要件

以下、すべてに該当する場合は社会保険に加入することとなります。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. 賃金の月額が8.8万円以上であること
  4. 学生でないこと

つまり、正社員の所定労働時間が8時間の場合、基本的には週に30時間以上の勤務の方が社会保険の加入対象となるわけですが(8時間×5日は40時間、40時間の3/4は30時間となるため)、 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の会社にお勤めの場合は、週に20時間勤務以上で加入対象となってしまうというわけです。(その他3つの要件に該当していた場合です。)

今後社会保険の加入要件はどう変わっていくの?

上記では、 「厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人事業主(任意適用事業所を除く)」で勤務されている場合、要件の緩和により、通常より多くの方が社会保険の加入対象となっている、というお話をしていきました。

実はこの「501人以上」というところ、今後この人数を段階的に減らしていこうという法令が今年の5月末に可決されたんです。

①2022年10月からは「 厚生年金保険の被保険者数が常時 101人以上の会社で」
②2024年10月からは「 厚生年金保険の被保険者数が常時 51人以上の会社で」

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 賃金の月額が8.8万円以上であること
  3. 学生でないこと

以上に該当する従業員の方は社会保険に加入することとなります。

なお、今回の改正から「 雇用期間が1年以上見込まれること」という要件が撤廃されておりますので、お気を付けください。

今のうちからご準備を!

今回の改正により、最終的には65万人の方が新たに社会保険に加入することとなるようです。
皆さまの事業所の従業員の中にも、該当する方がいらっしゃるかもしれません。

社会保険料は負担も大きいですし、何より「知らなかった」といって加入を怠ると、後日遡及して支払い、ということにもつながってしまいます。
ですので、今からのご準備、心づもり等が大切になってくるかと思います。

また、今回の加入にあたって、新たに該当となる従業員の方の経済的負担も大きくなることが予想されます。
そこで、会社として賃上げや正社員化、労働時間の延長等も検討されるところもあるかと思います。
そういった場合に、活用できる助成金というのもございます。
ぜひ、そちらの申請、活用等もご検討されることもお勧めいたします。

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