こんにちは!
社会保険労務士の渋谷です。

前回は「食品の賞味期限を設定する際には『客観的な判断』が必要なんです」というお話をさせていただきました。
詳しくは前回の投稿をご覧ください↓↓↓

食品を販売したい事業主様必見!賞味期限ってどうやって設定するか知ってますか?Vol.1

今回は、実際に賞味期限を決めるにはどういった手順で進んでいけばよいのかについて簡単にご説明をさせていただきます。

賞味期限はこうやって決める!

以下の手順を参考にしていただければと思います。

①賞味(消費)期限を仮設定する

まずは、自分がその商品の賞味期限をどの程度と予想しているか、あるいはどの程度にしたいと希望しているのかを考え、その期間を仮の賞味期限として設定します。
この期間が1つの判断基準となりますので、しっかりと設定しておくことが大切です。

②保存期間を決める

商品の賞味期限を仮設定したら、その賞味期限が本当に正しいか、その期間実際に商品がもつかどうかのテスト(分析)を行っていきます。
そのテストを行う前に、その商品をテストのためにどれだけ保存しておくかを決める必要があります。
例えば賞味期限を1ヶ月とするならば保存期間は1ヶ月以上の期間でなければなりません。

というのは、賞味期限を例え1ヶ月で設定したとしても、お客様がどのように使われるかはわかりません。
お客様の中には2、3日日が切れてしまったものでも「これくらいなら大丈夫だろう」と食べてしまわれる方もいるかと思います。
また、例えば想定以上に劣悪な場所に置かれていた場合、1ヶ月後の状態が想定よりももっと悪い方向に進むことも考えられます。
ですので、賞味期限はギリギリで設定せずに、少し余裕をもって見ることが必要です。

通常は、問題のないと判断するギリギリの期間(客観的な項目に基づいて得られた期限)に「安全係数」をかけて賞味期限を設定していきます。
安全係数は0.8が目安とされていますが、その商品のばらつきの多少や販売時や購入後に想定される環境等を考慮しながら値は決定してください。

話を戻しますが、保存期間も安全係数を考慮して決定することが望ましいです。
例えば1ヶ月の賞味期限を付けたい場合は、

1ヶ月(30日÷0.8)=37.5

ですので、保存期間を38日以上で設定し、38日時点の商品までテストを行います。
その結果が良好であれば1ヶ月の賞味期限を設定することも可能となるわけです。

③保存条件を決める

例えば冷蔵保存を求める商品であれば、保存条件も「冷蔵」であることが望ましいです。
逆に常温商品で、賞味期限の期間内に夏場を迎える商品に関しては35℃での保存が良いと思います。
35℃は主な細菌が最も増殖する温度帯と言われています。
また、保存温度は「恒温(常に一定の温度)」であることが望ましいです。
難しければ、できるだけ想定される中で一番過酷な状況に近い管理をしていっていただければと思います。

④分析項目を決める

前回の投稿で分析項目については詳しくお話ししているのでそちらをご覧ください↓↓↓

食品を販売したい事業主様必見!賞味期限ってどうやって設定するか知ってますか? Vol.1

微生物検査と官能検査は必ず実施すると良いかと思います。

⑤測定点を決める

分析をいつ行うかを決めていきます。
製造直後(製造初日)の分析は必須です。
(比較材料とするため)
また、保存期間の最終日のものももちろん必要です。
この結果が良好となれば、晴れて仮設定した賞味期限がOKということになります。
この2点さえ分析をしておけば大丈夫なのですが、できればその間にも数回分析を行うことを推奨いたします。
もし保存期間の最終日での分析結果が良いものでなかった場合、どの期間から品質の低下が起こっているのかを把握することができるからです。
(また、途中段階で気づくこともできますよね)
そうすると、その途中結果の分析を基に賞味期限を決定することも可能となります。

いかがでしたでしょうか?
今後食品を製造・販売される際はぜひこの手順を1つの参考にしていただければと思います。

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