皆さんは「パパ休暇制度」をご存じでしょうか?
個人的にはすごくいい制度だと感じていますし、ぜひ多くの企業で勧めていただきたいと思っております。
本日はパパ休暇制度の内容と、制度利用の促進が企業にどんな利点をもたらすのかについてお話ししたいと思います!
「パパ休暇制度」とは?
通常、育児休業給付金は、生まれた子が1歳になるまでに、1回しか受給できません!
会社で2回目の育児休業をOKとしていても、2回目の育児休業について雇用保険からは手当はでないんです。
(離婚や配偶者の死亡・病気等、特別な事情があるときを除きます。)
しかし、パパが子供が生まれた後、8週以内に育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくてもパパは再度育児休業を取得し、給付金も受けられるという特例があるんです。
これが「パパ休暇制度」です。
パパ休暇制度を利用できる要件とは?
以下の2つの要件に該当することが必要です。
①子供が生まれた後8週以内に育児休業を取得していること
②子供が生まれた後8週以内に育児休業が終了していること
パパ休暇制度が企業へもたらすメリットとは?
今後日本ではますます少子高齢化が進み、人口も急速に減少の一途をたどっていくことが予想されております。
そうなってくると懸念されるのが「働き手の不足」。
企業を存続させていくためにはいかに働き手の減少を止められるか、あるいはいかに生産性を向上させられるかという点が重要となってきます。
パパ休暇制度は女性の社会復帰を助ける!
産後うつという言葉を聞いたことがあるかと思います。
日本では出産を経験した約1割の女性が産後うつに罹患すると言われています。
産後うつは出産2,3週間後から3か月の間に発症することが多いと言われておりますが、その原因の1つが「パートナーのサポート不足にある」とされています。
私も経験がありますが、これには納得です。
生まれたばかりの赤ちゃんには昼と夜の区別がありません。
1~2時間おきには授乳をする必要がある上、なかなか泣き止まず、やっと眠ったと思って横に寝かせるとその瞬間また起きて泣き出す…
まとまった睡眠がとれず、初めての育児に戸惑いもあり、だんだん気分も落ち込んでいきます。
夜中旦那に1時間だけでも変わってほしいと思っても、旦那は明日も仕事。
そこを起こして代わってなんてなかなか言い出せない…
1度産後うつになってしまうと、治療もありますし、スムーズな職場復帰とはいかなくなることも予想されます。
あるいは、産後うつまでいかないにしても、それに近い体験をしてしまったことで、仕事をセーブすることを選ぶというケースもあるかもしれません。
もし奥さんが出産した直後に旦那さんが育休を取得してくれていたならば結果は変わってきますよね!
パパ休暇制度を多くの企業が推進していくことは、多くの女性の育児の負担が軽減されるようになるだけでなく、結果的には女性全体の就業率の上昇にもつながっていくのです。
職場環境の改善につながり、魅力的な企業へ!
事業主のみなさま、ぜひ保育園に行ってみてください。
一昔前よりも男性の姿が増えていることに驚かれるかもしれません。
送迎をパパをもするのは当たり前、平日の行事にパパが参加しているのも珍しくありません。
そう、若いパパママ達にとってはパパの育児参加は当たり前になってきているのです。
そしてそれは今後ますます進んでいくことでしょう。
パパ休暇の取得、これからはそれが当たり前となる世の中になってくるかもしれません。
ですのでそうなる前に、先だって制度の推奨をお勧めします。
今いらっしゃる従業員の方々への早い意識付けにもつながりますし、採用活動の際は他の企業と並んだ際により魅力的な企業と映るように思います。
作業の標準化が進み生産性アップ!
育休を取る=仕事を離れるということ。
つまり自分の仕事を周りに振らなければならないということです。
そうなると嫌でも自分の仕事を誰でもできるような状態にしておくこと(標準化)が必要となってきます。
企業にとって、作業の属人化→標準化はたくさんのメリットをもたらします。
(属人化:ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態となっていること)
例えばその作業はその人しかできない、となると作業が立て込んだ際には即時間外労働や休日出勤につながってしまい、結果人件費が上がります。
しかし作業を標準化すれば、仕事を割り振ることも可能となるため効率化も進みコストの削減にもつながります。
また、作業の標準化は技術の継承やスキルアップにもつながるため、人材育成の面でも有効です。
さらに作業を1人で担当しているとミスがあった場合、気が付かずにそのまま進んでしまう危険もはらんでいます。
ミスは後工程に進めば進むほど、影響は大きくなるもの。
作業を標準化することで多くの方の気づきが得られるのもメリットの1つです。
パパの育児参加を応援しよう!
以上のように、パパの育児参加は時代の流れを見てもますます盛んに行われていくだろうし、企業としてもパパの育児参加を推奨することは必須であると言えます。
若い男性社員が育休を取得し職場を離れることは痛手であるかもしれません。
しかし、その痛手は一瞬のものです。
長い目で見ると、メリットの方が多いです。
ぜひ、これを機にパパの育児参加を推奨するような環境整備を進めてみてはどうでしょうか?