子供を出産した際には育児休業に入るママも多いかと思います。
ですが育児休業中に会社から「ちょっと手伝いに来てくれないか!」と言われてしまったり、また「この間副業をしたいな」と考えるママも多いようです。
そういった場合に気になるのが「育休中なのに働いていいものなのか?」という点。
「もしかしたら、働くと手当がなくなってしまうんじゃ・・・」という不安もありますよね。

先にお伝えしてしまうと、育休中に働くこと自体はOKです。
しかし、手当は場合によっては減額されてしまうことがあります。
この取り扱いは、その働く先によって変わってしまいますのでご注意ください。
以下、詳しくお話ししていきたいと思います。

case1 会社で働く場合

ここでいう会社というのは、「育児休業給付金の申請をしている会社」という意味です。
以下、育児休業給付金の申請している会社のことをただ単に「会社」と呼んでいきますのでご注意ください。

会社で働く場合は以下の①、②の要件をみます。
ちなみにこれらの要件は「1支給単位期間」ごとに確認します。
(1支給単位期間とは、育児休業給付金の支給を行う期間を1ケ月ごとに区切った期間とお考え下さい。
 例えば1/16~育児休業に入るとすると、支給単位期間はそれぞれ1/16~2/15、2/16~3/15、3/16~
 4/15・・・となります。)

①11日以上の勤務・・・育児休業給付金は支給されません。
            ただし、11日以上の勤務でも総時間が80時間以下であれば
           支給可となります。

②給与が出た場合・・・もらった給与が以下の3パターンで扱いが異なります。
           育児休業開始前の6か月間の総支給額を180で割った額×支給日数(以下賃金月
           額)に対して会社より支払われた給与の金額が
           1)13%以下(育児休業開始180日以降は30%以下)→育児休業給付金の減額なし
           2)13%超(180日以降は30%超)~80%未満→「賃金月額×80%」と賃金の差額
                                 が支給
           3)80%以上→育児休業給付金は支給されない

育児休業給付金は2ヶ月に1回ごとに会社が申請を出すことになりますが、その際にその期間に働いた日数や時間、賃金等を申告することとなります。
その結果を見て手当が調整されて支給されるという感じです。

case2 他社で副業をしたり自分で仕事をする場合等

育児休業給付金の申請をしている会社以外で働く場合です。
この場合は以下の1点のみの要件に該当するかどうかをみます。

①11日以上の勤務・・・育児休業給付金は支給されません。
            ただし、11日以上の勤務でも総時間が80時間以下であれば
           支給可となります。

ちなみに、上記の要件に該当しなければ、賃金をもらっていても手当の額には影響しません。
つまり、10日以下(あるいは80時間以下)の勤務で働く場合は、いくらもらおうと育児休業給付金は全額支給されるということです。
ただし、申告書には働いた時間や日数等を記入することとなっておりますので、会社に働いた時間等を報告することが必要となってきます。

就業規則の内容にご注意ください!

育児休業給付金の支給のことだけで見ると、育児休業中に働くということは問題ではありません。
しかし、会社の就業規則等で「副業禁止」となっている場合、他の会社や自分自身で働いていたということが判明した際には問題と発展してしまうことも考えられます。
懲戒処分等に該当してしまうことも考えられますので、育児休業中に働きたい場合は会社の規則等も確認してからが良いかと思います。

制度の内容を理解して、上手な活用を!

育児休業中であったとしても、どうしても勤務をお願いしたい、あるいは手当以外の部分で少しでも収入を増やしたなど労使ともに様々な思惑が出てくるかと思います。
あるいはママにとって復帰はなかなかの体力がいるもの。
徐々に体ならしをすることは必要かもしれません。
そこでご提案したいのが「ならし勤務」。
おそらく多くのママが育休終了日前から子供を保育園に「ならし保育」させているのではないでしょうか。
どうせならその時間、ママも「ならし勤務」してみてはどうですか?
給与の額をうまく調整すれば、育児休業終了前でも手当を減らすことなく勤務することも可能です。
ぜひ、みなさんの状況にあわせて制度を上手に使ってみてください!