少子高齢化が進む日本。
それにより、ますます問題視されているのが「働き手不足」。
近年では、働き手がいないために倒産をしてしまうケースというのも増えています。

またその一方で起こっているのが「長時間労働問題」。
今年からは中小企業でも時間外労働の上限規制が始まりましたね。

これら2つの問題を解決するため、これからはいかに少ない人数で、または短時間で、仕事をこなしていくかがカギとなってきます。

では、どうしていったらよいのか。
個人的には「ママの活用」、これがまず取り掛かるべき最初の施策と考えます。

なぜママを活用するべきなのか

ママ達は「就業継続意欲」が高い!

とある調査によると、「今の会社でキャリアを継続させたい」と考えている人の割合は、男性全体、女性全体でみるとどちらも約50%程度だったのに対し、ママだけを見るとなんと約70%にまでその割合が増えたとのこと。
そりゃそうですよね。
私もママで会社員をしていたのでよくわかります。
もともと会社に不満を持っていた場合、妊娠、出産って、会社を辞めるためには抜群のタイミングとなるんです。
だから今の会社で働きたくないと思っていたら、復帰なんて考えませんよね。

また、ママ達は仕事の他に育児を抱えているため、転職をするための負担や不安も大きい。
ですので、もしかすると、今の会社に多少の不満があったとしてもなかなか辞めにくいという現状もあるのかもしれません。

どちらにせよ、就業継続意欲が高いことは事実。
新しい人を入れて育てるよりも、ママ達のスキルアップ等を図った方が効率的にも、コスト的にも優位にあるのではないでしょうか。
そのためにも、ママ達にとって望ましい職場を整備してあげることが大切なように思います。

ママは自ら生産性の向上を図っている

私自身もそうなのですが、子どもを産む前と産んだ後の仕事への取り組み方を見ると、明らかに生んだ後の方が生産性が向上していたように思います。

それはなぜか。
今までは仕事が間に合わなければ平気で残業をしていました。
しかしママになると発生するのが「保育園のお迎え」。
保育園は一定の時間を過ぎると延長料金がかかります。
何より我が子がまだかまだかと自分の帰りを待っている。
仕事を終わらせないわけにはいかないんですよね。
・・・ということで、必死に仕事をこなしていたように思います。
また、以前は一人で抱え込んでいた仕事も、明らかにできないなと思ったときは周りに振るということもできるように。
そのおかげで後輩の成長も促進され、仕事の「属人化」も解消されたように思います。

生産性の向上においては「仕事の属人化の解消」は必須。
「この仕事はその人しかできません」となると、仕事が混んだ時には長時間労働の原因にもなりますし、次に控える人たちの仕事を遅らせてしまうことにもつながります。
何より、会社にとっても、その人に何かあった場合などには仕事が止まってしまうなど、何もいいことはありません。
ですので、属人化を解消させたママ達の手法はどんどん取り入れていくべきなのです。

ママを活用するために取り組むべきこととは?

長時間労働が良いとされる職場環境の改善

日本にはまだ「残業している方が頑張っている」という考え方が残っており、それが出世につながるケースも多いです。
残業できるかどうかだけを見れば、ママ達は絶対的に不利。
仕事だけをすればいいわけではなく、保育園のお迎えや家事などもこなさなければなりません。
それもあってか、とあるデータでは「残業の頻度が高い職場ほど女性の総合職率が低い」という結果も出ています。
また昇進をしたいと思う意欲のあるママにとっては、長時間労働が評価されるという現実は、職場への魅力を失わせる、あるいは離職を考える原因のもととなってしまっているように思います。

ですが、残業するっていうのは本当に評価されるべきことなのでしょうか?
そもそもこれからは長時間労働が規制されるのみです。
「残業している方が頑張っている」ではなく「いかに短い時間で仕事を終わらせたか」を評価する時代がきています。
それから考えても、長時間労働の改善、働き方の見直しは必須であるように思います。
まずは属人化の解消や、早く帰りにくい環境の改善、作業の効率化などを始めてみてください。

「育休制度がある」を掲げるのは時代遅れ

「育休制度があります」、これを掲げて採用活動にあたる企業もあるかと思います。
しかし、厚生労働省の調査によると、2018年度の育児休業(育休)取得率は女性では82.2%に上るそうです。

そう、会社に育休制度はすでに、あって当たり前となっているのです。

取得できない、ということがあればもうそれは言語道断。
取得できても、その後その社員がいかに継続してキャリアアップを図っていくのか、その環境を整備することがますます必要となってきています。

ママを優遇しすぎない

今までとは逆に、「むしろうちはママが働きやすい環境をどんどん推し進めています!」という企業も増えてきているかと思います。
しかし、例えばママの負担を軽くするために、責任のある仕事をすべて他に回したりすることは、ママのスキルアップにつながらないだけでなく、周りの方も「自分ばかり大変になって…」と不満を生み出す原因となってしまいます。
まわりの理解が得られないと、ママ達の働きやすい環境の整備というものはなかなか進みません。
大切なのは「適度に責任のある仕事を任せること」。
適度というのは大事ですよね。
例えば「スキルアップのために!」とバンバン仕事を渡して酷使してしまったら、仕事と育児の両立に不安がつのり離職を考えるもととなってしまいます。
このバランスをうまくとりながら、ママの活用を進めていっていただきたいです。

ママの活用は取り組みやすい!

最近では「多様な人材を取り入れている企業の方が、成長している傾向にある」というようなデータを見る機会が増えています。
多様な人材としてよく挙げられるのが、女性、障害者、高齢者、外国人などなど・・・
その中でも「女性(ママ)」の働く環境を整備することが1番難易度が低いのではないかと思います。
だって、多くの企業がママを雇っている実績がすでにありますしね!
ですのでまずは、ママの活用を進めてみてはいかがでしょうか。
そして実績を作り、さらに多様な人材の取入れをどんどん進め広げていき、さらなる成長につなげていっていただければと思います。